2006-01-01から1年間の記事一覧

これからすること

『甲殻機動隊』を読んで、一ヵ月後の論文のおよそのめどが立った。当時のコンテクストを押さえたうえで、シュルレアリスムとバタイユを比較すること(細かく言えば、シュルレアリスムとその他のアヴァンギャルドとの差異も)。さらに二ヵ月後の発表には、でき…

フェイスロボット

■フェイスロボット デュシェンヌ・ド・ブローニュが行ったような顔の表情の電機分析は一見馬鹿らしいニセ科学のようなものしてみなされているが、現在においても顔の表情に対する科学はずっと続いている。現在では、その表情の分析を基にして、バーチャル世…

顔が

■ゾヴィチェックを読み始める。 Ghost in the Shell: Photography and the Human Soul, 1850-2000 (MIT Press) 人間の顔は、人間の性格や主体性を表しているというのは古典的な西洋芸術の肖像画の芸術を支持するものである。しかし1920年代のアヴァンギャル…

マグリット 隠された女性

1929年の「シュルレアリスム革命」12号に掲載されたシュルレアリストの集合写真には、マグリットの絵画が中央に配置されている。マグリットが正式にフランスのシュルレアリスム運動に承認されたのがこの号からであり、マグリット自身がこのモンタージュを作…

蝿男の恐怖 [DVD]出版社/メーカー: 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント発売日: 2005/06/24メディア: DVD クリック: 13回この商品を含むブログ (9件) を見る蝿男の逆襲 [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント発売日: 2…

死霊のえじき 完全版 [DVD]出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ発売日: 2004/10/22メディア: DVD クリック: 36回この商品を含むブログ (41件) を見る『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』に続くジョージ・A・ロメロ監督作品。 この映画には、ゾンビに対…

ザ・フライ (特別編) [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン発売日: 2007/01/26メディア: DVD クリック: 1回この商品を含むブログ (8件) を見るクローネンバーグ監督の作品。 原作の『蝿(はえ) (異色作家短篇集)』(…

キッチュの復権

■エッセンシャルペインティングつながりで松井さんの講演会を聞きに行く。 1939年のグリーンバーグの「アヴァンギャルドとキッチュ」に始まり、現代においてキッチュの復権へと至るという絵画の変遷が主な話。キッチュとしての絵画は、従来の抽象的な表現よ…

ハエを探しています

■ハエ1 Pで発表をさせていただく。もう一歩及ばず。それはおいといて、ひとつ気づいたのは、ハエというのは実は、単眼ではなく、複眼だったということ。 複眼では、個眼それぞれで像を見ているのではなくて、像が分割されてモザイクのように見えているよう…

心霊写真が怖いのは

心霊写真が怖いのは、 ある意味では、そこに映った霊の身体が、ある時には手や足、またあるときには半透明、またあるときには歪曲した身体というように、何らかの形で本来の人間の姿を欠いているからではないだろうか。もちろんここには見ること/知ることの…

これはマン・レイによるシュルレアリストたちの肖像(1934)。

ゼミ発表

■ゼミ発表の日だった。 今回問題にしたかったのは、肖像写真における真正性。ブルトンにとって現実世界(現実のオブジェ)が模倣としての芸術とは何のかかわりを持たず、「痙攣的な美」と呼ばれるもの素材でしかないとするならば、ブルトンの肖像写真は、現実…

シュルレアリスム写真家として顔写真を撮影した人物として、マン・レイを忘れてはいけない。

シュルレアリスムにおける全体性

■当時の状況がどうであったのかは知らないが、シュルレアリストたちは多くの証明写真(photomatons)を撮影している。また同じように多くの集団肖像画のような写真もある。とくにブルトンの場合は、写真だけでなく、絵画などの肖像画など異常なほどよく目にす…

モンタージュされる身体

イメージによって表象された身体は、何らかの指示対象としてのオリジナルの対象がある。写真のインデックス性とは、まさにこうしたイメージ/レフェラントの密接な関係をよく示している。クラウスのインデックス論もこうした写真の特性を基にして展開されてお…

ゼミ発表

■今日は三人ゼミの日 ティルマンスと安来節とエグストンの発表。どの発表も提出前ということで、気合の入ったものだったが、ティルマンスは、展示方法がよく指摘されているが、それについてはまだのようで、安来節は、いまだに音は聞こえてこず、エグルスト…

大正イマジュリィ学会

■久しぶりに大正イマジュリィ学会に。 北澤楽天の『東京パック』という漫画の話と、北畠華宵のキャラクターデザインの話。後者についてだけ。東の『動物化するポストモダン』における、萌え要素によって作られるキャラクター設定というのが、実はポストモダ…

運動と静止の狭間で

PCの調子が悪い。何もしていないのに勝手に落ちちゃったりする。調べてもらうと、どうやらメモリの不具合のようである。結局病院送りになりそう。…どうも最近ツキがない。携帯は落とすし、メモリフラッシュはなくすし、PCも壊れるし。とりあえず知人にPC借り…

集中講義1

■絵画における物語 バルトやトドロフの物語分析を基にして、それを絵画イメージへと当てはめていく。そのパラレルな関係を見ていくことで、テクスト/イメージの差異を明確に捉えていくことがこの講義の一番の狙いだと思う。ここをはっきりと捉えること。ここ…

▪プチ読書会 ようやく読み始めるTouring Cultures作者: Chris Rojek,John Urry出版社/メーカー: Routledge発売日: 1997/05/15メディア: ペーパーバック クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る第9章「観光と写真的眼」 キャロル・クラウショウ/ジ…

秋を堪能する その3

■今日のゼミに一時帰国している先輩が来るようである。 ■USJに行ってきた。 巨大キティと巨大ツリーに出迎えられ、様々な「アメリカ」的なものをいやというほど感じさせてくれた。 ほとんどの乗り物が、映像を使ったもので観客を楽しませてくれる。立体メガ…

写真の痕跡の痕跡化

■中ハシ克シゲ展 ZEROs−連鎖する記憶− 滋賀県美から参加者全員で写真でできたゼロ戦を運び、比叡山高校の近くで燃やすというプロジェクトに参加。 中ハシは、写真によって一ミリ単位で空間・時間を層状に重ね合わせ、それを組み合わせながら、彼の中心的な主…

二本見る。降霊 ~KOUREI~ [DVD]出版社/メーカー: タキ・コーポレーション発売日: 2000/06/23メディア: DVD クリック: 68回この商品を含むブログ (51件) を見る驚くほど怖くないホラー映画だった。むしろ、レストランを出て行く幽霊の動きのほうがよっぽど怖…

フランス語会話と関西弁

■今日から こちらは日本語を教えるという条件で、フランス語会話を教えてもらうことになった。自分のフランス語力はほとんど進歩していないのを痛感させられたのだが、彼女のほうは、関西弁とメールでの口語的な文章(絵文字など)に頭を抱えていた。でもこん…

ユベルマン

■ユベルマンは、バタイユのヘーゲル的弁証法の使用を決して概念的な解釈として捉えるのではなく、むしろその体系だけを抜き取ったものとして解釈する。バタイユの弁証法的思考の中でも、とりわけ『ドキュマン』においては、二つの方法が展開されている。その…

シュルレアリスムのヘーゲル受容

■マーティン・ジェイ「ルフェーブル―シュルレアリスムとフランスにおけるヘーゲル主義的マルクス主義の受容」を読む。 →WWⅡまでにフランスには主に二つの方向から「全体性概念」への受容があった。その一つはデュルケームの有機的全体性を頂点とするコント的…

読書会

■まだまだ続くユベルマン読書会 フロイトの<形象性への配慮>から二次的加工を行い、<認識可能性への配慮>へ、という<筋>の段階的なドラマを、ユベルマンは<形象的止揚>となずける。ただ、ユベルマンが主張するのは、この聖骸布の場合、敷布に何らか…

ベケット『ゴドーを待ちながら』と短編作品「死んだ頭」を読み始める。

『NIPPON』

偶然に名取洋之助の『NIPPON』を貸していただいた。 http://www.kokusho.co.jp/series/nippon.htm →気づいた点を書いておく。名取洋之助が主幸する日本工房が1934年10月から刊行した『NIPPON』は、コート紙を使用し、グラビア印刷によって、様々な写真を組み…

今日はUSVという怪しげなビデオ屋で200円でビデオを買ってみたのだ。というわけで学校で黒澤清を見ようとしたが、テレビが壊れているのであえなく断念。 その代わりに、これをパラパラ見る。ジャン=リュック・ゴダール 映画史 全8章 BOX [DVD]出版社/メーカ…