2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

比喩としての畸形

◆澁澤 「ジョルジュ・バタイユ:比喩としての奇形について」 『ドキュマン』における奇形のイメージについて書かれたエッセイ。澁澤はこのエッセイを三島との逸話からはじめている。澁澤の家によく来てはコレクションを見せてもらっていた三島に、彼はフラン…

エログロ・ナンセンス=バタイユ

70年代80年代、恐らく『眼球譚』とか『太陽肛門』とかを挙げて、バタイユはサドと同じように、エログロ・ナンセンスの権化みたいな存在とみなされていたようだが、その起源て結局どこにあるのかよくわからん。ということで、久しぶりに澁澤龍彦を読み返して…

怪物の作り方

◆種村本を読んだのでまとめておく。 神の被造物として人間が自分のに姿として人工の怪物を作り出すということは、神の権限を行うことであり、神への反逆を意味している。ギリシア神話において、プロメテウスは、粘土によってゼウスの似姿として人間を作り、…

シュルレアリストの死

◆シュルレアリスムについて語る場合、芸術家たちはそれぞれこの運動に参加しつつも、その中で離合集散を繰りかえしてしている。一般的に、ブルトンを中心とする運動とそれと対立する運動に分けることができる。こうした作者個人の話はわかるが、作品そのもの…

シュルレアリスムの欲望

◆シュルレアリスムの欲望 について考えてみる。コラージュ、痙攣的美、客観的偶然性などシュルレアリスム的な実践といわれるものは、結局のところ主体が対象に意識を向けることによって、本来あった秩序を独自に組み替えるシステムである。それというのは、…

シュルレアリスムと性 (平凡社ライブラリー)作者: グザヴィエルゴーチェ,Xavi`ere Gauthier,三好郁朗出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2005/08/10メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見るなかなか読む気がしなかったが、読んでみると…

悪魔のいけにえ(デジタル・リマスター版)【字幕ワイド版】 [VHS]出版社/メーカー: カルチュア・パブリッシャーズ発売日: 1998/01/25メディア: VHSこの商品を含むブログ (2件) を見る主観ショットよりも、障害物をはさんだ客観的ショットが多く用いられ、ドキ…

踊る広島駅の銅像

◆広島の芸術学会に行ってきた。アメリカアクションペインティングの発表と、日本画の作家さんによる紙という素材の比較に関する発表。後者は、紙の素材や製法が作家の製作を左右するということを熱く語ってくれた。昔印刷会社で働いている人と会ったときも、…