shirime2004-11-26

ブルトン『ナジャ』の写真…ボワファールが撮った写真は、多くが医学的証明のように何の技巧もなく撮られる。一見するとそれはアジェの写真のようである。しかしこの『ナジャ』に掲載された写真は、テクストを補完するものでしかない。そのため多くのキャプションや文章による説明が付されている。その結果、この写真はアジェのような単なる現前性を示す写真となるのではなく、何らかの意味を浸透させた二重化された写真となる。 それに対して、『ドキュマン』におけるボワファールの写真は、写真そのものがある意味を持つ。足の親指の写真は、その現前的接触性によって生の現実を獲得する。