コジェーヴとモーツァルト

■アレクサンドル・コジェーヴヘーゲル読解入門―『精神現象学』を読む』第1章「序に代えて」を読む。
コジェーヴの立場は、本書の冒頭にもっともよく表れている。

人間とは、〈自己意識〉である。人間は自己を意識し、その意識の実在性とその人間的な尊厳を意識している。そしてそこにこそ、人間が単なる〈自己感情〉の域を越えることのない動物と本質的に違いがある。人間は、――「初めて」――自分で「我Moi」と語る瞬間に自己を意識する。したがって、その自己意識の「起源」を把握することによって、人間を把握することは、パロール〔語り〕によって明らかにされる〈我=自我〉の起源を把握することなのである。

彼にとって問題なのは、〈自己意識〉であり、これを〈欲望〉によって実践的に捉えようとしていく。明日はもうひとつのへーゲルを読み終えるつもり。
■ほとんど、音楽には縁のないのに、TA(ティーチング・アシスタント)としてモーツァルト魔笛』の授業に参加することになった。相変わらずオペラには慣れない。