アヴァンギャルドの交換価値

《COMMUNAUTÉS SANS TRACES》, par Vincent Kaufmanを読む。
→この論文では、シュルレアリストからアルトーまでを含めたアヴァンギャルドたちの自伝的な語りに対して、「全く別もの(非自伝的)」としてのバタイユが対比されている。
その中で、アヴァンギャルドの理念の一つとして、「人生における芸術」という言葉があるのだが、おそらくこれは、これまでのフランスの芸術の歴史を考えるとアカデミー的な「芸術のための芸術」に対する反抗という意味で、当時のアヴァンギャルドたちが共通の理念としていたものだと考えられる。つまり、マルクス主義的な観点からすると、芸術を芸術としてのみ捉える「交換価値」的な芸術から「使用価値」としての芸術を追求したのがアヴァンギャルドだということ。
しかし、著者によれば、バタイユ以外のアヴァンギャルドたちの「人生における芸術=使用価値」というのは、自伝的(=主観的?)であり、結局のところそれは「交換価値」的な「使用価値」でしかない。
というのが言いたいのだろうか。オリエもアヴァンギャルドにおける商品化(交換価値)について論じているものがある。
もう少し調べてみないとわからない。