フェティッシュ

■メモ(フェティッシュ
バタイユ『ドキュマン』1929、第8号「現代精神と置き換えの遊戯」

私は、フェティストが靴を愛するほどに、絵画愛好家なら誰もがカンヴァスを愛することはないとみくびっているのである。

レリス『ドキュマン』1929、4号「アルベルト・ジャコメッティ

私はジャコメッティを愛している。なぜなら彼が行う全てのことは、これらの危険〔ある自己の同一性が危険に曝され、突然外部の世界の生命に出会うこと〕のひとつの石化であるような、驚くべき速さで直ちに固定されるある投機の強度、またそれを証明するキロメートル標石のようなものだからだ。だが、この彫刻には、死んだものは何もない。それとは反対に、人々が溺愛すべき、また驚異的に活気に満ちた真正なフェティシッシュのなかにあるような、全てがそこにある(真正なフェティッシュとは、つまり私たちと類似しており、また私たちの欲望の客観的な形態なのである)