小津一本。

麦秋 [DVD]

麦秋 [DVD]

→メモまでに。シークエンスとシークエンスの間をつなぐ人物のいない風景描写とハードフォーカスによって背景をぼかし、人物を正面にして語らせる方法。『麦秋』では、この二つの方法が不在/現前のメタファーとして反復的に用いられている。また始まりの誰もいない海辺シーンに対して、家を出る前に行われる家族写真(映画のフレームが写真のフレームと重ねられ、登場人物たちがこちらを向いている)、そして最後の麦畑のシーンは、「不在―現前―不在」というこの映画の中心軸となっている。
それと、シーンが変わって突然現れる家族写真のシーンに、少し違和感を感じる。観者がレンズとなっている。小津のほかの作品にも、よく似た写真撮影のシーンがあったようなきがするが、タイトル忘れた。