「ヘルキュレス・セーヘルスの版画」

shirime2006-08-25

■『ドキュマン』1929年第4号では、カール・アインシュタインによるヘルキュレス・セーヘルス(1590-1638)の版画がかなり強引に分析されている。
アインシュタインが言うには、彼の版画では「崩壊」「自殺」「死」「解体」「遺棄」「無気力」という否定的な主題が扱われている。そこではもはや空間さえも崩壊しており、無気力で「アゴラフォビア」的な空間が表現されているという。
セーヘルスについてはあまりよくわからんが、アインシュタインの場合は、美術史家である以上ほとんどが作品を基にして分析している。そのため、テクストとイメージの関係は一応対応していると考えてもよいと思う。