何となくショアーについて調べてます

イメージ、それでもなお アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真

イメージ、それでもなお アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真

とりあえずこれを読んで、ショアー関係について色々調べている。ユベルマンが考えるイメージのモンタージュとは、決して<すべて>でも<ひとつ>でも、<無>でもない(ランズマンやジェラール・ヴァイクマンらが考えるイメージ)ではなく、複数のイメージの結合や増殖に基づいて考えている。ユベルマンの批判への反論としては少し冗長な部分もあるように思うが、恐らくユベルマンが言いたいのは、イメージが決して、<イメージ/現実>(<イメージ/現実>というのは、「現実としてのイメージ」/「イメージとしての現実」ということをさしていると勝手に解釈してます。)という二項対立に陥るものではなく、それ自体が不安定であり、むしろ「イメージはそれが我々に耐えず呈示する、すべてが見えるわけではないということをきっかけに、不在を示すことができる」(161)ということ。こうしたイメージの不安定性をいわば補う方法がモンタージュという方法。このイメージはまたアルシーヴでもあり、それぞれは差異をもちながらも、絶えず再構成されていく。
ここでは、類似は「同化」とは異なり、<差異>と同時に考えられていると思うが、それぞれをどう使い分けるのかについてははっきりと説明されていないように思う。これは以前読んだ「コンタクト・イメージ」と「ナナフシ」のときにも感じたもの。