なぜアメリカは戦うのか?

◆[Why we fight]
http://www.sonyclassics.com/whywefight/main.html
講座の初日、アメリカのイラク戦争への報復によって明らかになった資本主義的な帝国主義政策に対する批判という内容のドキュメンタリー映画を鑑賞。

監督: Eugene Jarecki。2005年のサンダンスでドキュメンタリー部門で最優秀賞を受賞。ちなみにこの映画のタイトルは、フランク・キャプラの「Why we fight」から。

9.11以降これまでの歴史を清算するかのように、国民のあるいは国家の<自由>を獲得するために、公然とイラクへと宣戦布告するアメリカ。それは、まさにアイゼンハウアーが予想した「軍産複合体」としての経済的植民地運動の結果に過ぎない。それは民主主義に対する資本主義の勝利を意味している。そうした軍事=経済をより公然と行うために、ベトナム戦争の反省を受けて、国家は、メディア操作を行い、国民に対してテロという不安と<自由>という高揚感を同時に植えつける。すごくいいドキュメンタリー映画だった。
映像に関しては、インタビューがほとんどで、その合間に、過去のフィルムや風景シーンなどが織り込まれている。そしてドキュメンタリーというものが往々にしてそうであるように、国家側の意見/反戦の意見あるいは、アメリカ人/イラク人を恣意的に並置させることによって、劇的に組み立てられているのは忘れてはならない。
明日はこれを基にしてグローバリズムについて話をしていただく。