秘密の=衣服を脱いだ思考

◆ジャン・リュック・ナンシーの論文「La pensee derobee」を読み始める。

La Pensee Derobee

La Pensee Derobee

「私は娼婦がドレスを脱ぐようにしてものを考える。その運動の頂点で、思考は破廉恥さそのもの、猥雑さそのものだ。」という有名な一節に示されるように、バタイユは、娼婦がドレスを脱ぐ、つまり何も隠されたものがない裸になるという状態と一般的な知を抜けだし非知の体験=何も隠されてない知(裸の知)とを同じような次元で考えていた。この論文で、ナンシーはこの一節からここで使われているderober[隠す=衣服を脱ぐ]という単語の二重の意味をもとに知や思考の問題をバタイユサルトルを比較することによって暴いている。