ホモ・エステティクス

Homo Aestheticus: Where Art Comes from and Why

Homo Aestheticus: Where Art Comes from and Why

リュック・フェリーの著書ホモ・エステティクス―民主主義の時代における趣味の発明 (叢書・ウニベルシタス)と同じタイトルではあるが、本書は、人類学者Ellen Dissanayakeによる芸術の誕生と人間の誕生に関する考古学的研究本。どちらもちゃんと読んでいないのだが、芸術作品の創造が人間と世界のかかわりのの根底にあるという出発点は同じ。彼女の場合、それを人間の進化のプロセスの必要条件として考えている。しかし問題なのは、そもそも「芸術」という概念をそのまま有史以前の存在に当てはめることが可能なのかということではないか?これって結局、サルが芸術作品を作ることができるのかというジュリアン・ハクスリーやデズモンド・モリスの実験と同じような次元にあるのではないかと思う。
美術の生物学―類人猿の画かき行動 (1975年) (コスモス・ブックス)

美術の生物学―類人猿の画かき行動 (1975年) (コスモス・ブックス)