バタイユの『眼球譚』(二見書房)に入っている「太陽肛門」・「松果の眼」を読む。ここで二つのギリシア神話が象徴的に用いられている。
・プロメテウス・・・神の姿に似せて人間を土と水から形作り、人間に味方して天上の太陽の火を彼らに与える。それがゼウスの怒りを買い、彼はカウカサス山に縛りつけられ、空からやってくる鷲に内臓をついばまれる。
イカロス・・・「イカロスの翼」。イカロスは、落ちている鳥の羽を拾い集めては、蝋で固めて翼を作り、それを身につけて空へ飛び立つ。ところが、有頂天になったイカロスは、つい高く飛びすぎた。そのため太陽に近づきすぎたイカロスの翼は、太陽の熱によって(=ヘリオスの怒り)蝋が溶けてまっさかさまに海へと落ちて死んでしまう。
鷹は太陽を直視できるため、プロメテウスにおいては、鷹が天上の火を取りに行く。ここでバタイユは、鷹を両義的に捉えている。つまり太陽そのものと同一視される鷹と、太陽の犠牲になる鷹。

そーいえば通販で、鷹の眼をもとにしたサングラスが販売されていたような気がする・・・