『平成十七年神宮寳暦』

■マルセル・モース『贈与論』訳有地亨 頸草書房 1962

  • ポトラッチ、つまり財産の分配は、軍事上、法律上、経済上、宗教上の「承認」(reconnassance)――この言葉の全ての意味において――の基本的行為である。(130)
  • この義務的贈答(echange-don)の原則は、氏族間あるいは家族間の「全体的給付」(全体的給付組織=systeme des presentations totals)の段階を超えてはいるが、なお、純粋の個別的契約、金融市場、いわゆる売買、特に、公定貨幣で評価される価格の観念には到達していない社会の原則であるに違いないと考えても差し支えない。(166 Ⅶ最初の結論)