なかなかカッコイイ詩

芸術学を学ぶ人のために』を読んでいたら、田村隆一が出てきた。二年前に初めて田村隆一の詩を久しぶりに会った高校時代の友達に教えてもらったが、そのときは僕はほとんど興味を示さず、その後彼の本だけ僕の家に置いてあったままだった。今一度読み返してみると読み返してみると彼の詩が、何となく理解できそうな気がした。友達のお勧めは「破壊された人間のエピソード」(『田村隆一詩集―「死語」』)。
→「エピソード」とは「逸話」・「挿話」であり、僕が考えるバタイユの「カリカチュア」あるいは「フィクション」と繋がってくるのではないかと思う。

電話のベルが鳴り
長い長いサナダ虫のような電話線で
人間は
人間の言葉で
喋っているが



おたがいに理解しあったためしがないじゃないか
誤解に誤解をかさねて
ぼくらは暗黒の世界から生れ
暗黒の世界へ帰って行くのさ
一条の光り
その光りの極小の世界で
歩きつづけている
ぼくらの
奇妙で
滑稽で
盲目の
旅の



エピソード

・・・しかしなかなかカッコイイ詩(こんな言葉で説明にはなっていませんが・・・)。