民族誌家としての芸術家

■来週から授業が始まるが、読みたい文献はあるかと聞かれたので、だめもとでフォスターの文献を御推薦する。

The Return of the Real: Art and Theory at the End of the Century (October Books)

The Return of the Real: Art and Theory at the End of the Century (October Books)

とくに第六章「The Artist as Ethnographer」
クリフォードの「民族誌シュルレアリスム」の議論を踏まえつつ、当時のアヴァンギャルと現代のアーティストの民族詩的役割の差異をベンヤミンの議論(「生産者としての作家」)をもとに展開している。
■ヴァールブルク論
ここでも20年代のコラージュと戦後の(アーカイブ的)コラージュの差異が問題となっている。おそらく、「ファクトゥーラからファクトグラフィーへ」でもあきらかなように、ブークローのアヴァンギャル論では、コラージュとは、最終的には何らかの一貫性を持ったものへ、つまりより判読可能なものへと定義されている。それと対比的に、アーカイブとしてのコラージュが提示される。
…まずはざっと読んだ感じ。