未来の美術館

大塚国際美術館に行ってきました。
およそ1000点ほどの世界各国の有名絵画作品が展示されている。そのすべてが1mほどの陶板に画像を転写し、焼成して製作されている。だから、大きな作品になるとそれぞれの陶板のつなぎ目がはっきりと見える。それだから真贋がどうとかいうのではなく、むしろその複製の中にある種のアウラを生み出しているのがこの美術館。
      
観客は写真をとりながら、順路に従って美術館内を巡回していく。この陶板は、およそ半永久的に変化することなく保存できるため、基本的に作品に触れてもオッケイ。しかし、すべてが同じフラットな平面であり、言ってみれば劣化することのない立体複製写真。それには妙な物質感があるのだが、そのすべては絵画的な物質感(タッチなど)ではなく、その(陶板)写真の物質感である。その実際の絵画にもなく写真にもない妙な物質感に頭がクラクラした。

この美術館こそ、一番前衛的な美術館だと思った。