集中講義

■集中講義に出ておりました。
ポップミュージックとマンガ論。どちらもほとんどはじめて聞く内容で楽しく聞かせていただいた。内容はどちらも文化的社会的背景を基にして、一般的に知られている権威的なものの裏をつく分析を行っている。ポップミュージックでは、ロック・パンクに象徴されるような白人の音楽の裏としてのブラックミュージック、マンガ論では、戦後を代表する手塚治虫の裏としての劇画。とくにマンガ論では、1960年代の貸し本屋というメディアを中心にして、作者−貸本屋−読者(青年)という構造がマガジンへと受け継がれ、それが世代交代とともに生じてくるズレを社会学的に分析していた。とりわけ、マガジンに掲載された広告や記事から読者層を特定していく作業は非常に参考になる。はじめてこうした社会学的分析の面白さを授業で味わったように思う。
…しかしその次には一体何がくるのだろうかという不安は常に感じてしまう。やっぱり少し物足りない。歴史としての事実をもう一度、表現の問題へと繋ぐ作業は、これから私たちがやらねばならないことだと思う。