サブカル対談

■集中講義最後に対談。
テーマは現在のサブカルチャーハイカルチャー化において、サブカルはどうあるべきかというものだったと思う。オタク文化ポストモダンとともに語られ、マンガが展覧会などによって芸術的に評価されることによって急速にアカデミックなものとなった。だが実際、マスダ氏が主張していたように、こうしたサブカルのアカデミック化は、そのサブカル本来がもつ反社会的な力を骨抜きにしてしまっているのは事実だと思う。今ではオタクもある程度の市民権を得ているし、ヤンキー=ファンシーも大学人においては、ノスタルジックなものとして美化されてしまっている。また逆説的にこうした開かれた学問がサブカルそのものの独自性や歴史性を見えにくくしているともいえるだろう。
だが世代論的に区別するわけではないが、どうしても世代の差を感じずに入られなかった。自分は、モダニズムの崩壊そのものも、ニューアカも体験したわけではない。それと最後に聞いた、経済的観点から見て、現在ではマンガも音楽も含め、サブカルチャー自体が下火になってきている現在進行形の話。これらを含めて考えると、むしろサブカルを完全に一度ハイカル化してもいいのではないだろうかとも感じてしまう。何の変化も生み出すことのないサブカルを保護するより、仮想的に「権威」を確立することがどうしていけないのかが私にはわからなかった。