人体は不思議だ

shirime2007-01-12

ということで、『人体の不思議展』にいってきた。

今まで人体標本といえば医学、特に解剖学という専門分野でしか知り得なかった世界を一般に公開し、人体標本を通じて「人間とは」「命とは」「からだとは」「健康とは」を来場者に理解、実感していただき、またその人体標本が「あなた自身である」ことの共感を得ることです

展覧会趣旨に書いてあるように、ここに展示されている作品=人体標本は観者自身の姿であり、だからこそ、この展覧会は、いわゆる美術館では開催されてはいけないし、気安くその作品をスペクタクルなものにしてもいけない。ここに展示されているのは、あくまで、科学としての作品なのである。そこにはあくまで人間の体を知るために、解剖されたり、スライスされた手足や全身像が展示されている。…とは言うものの、なぜか弓を射る瞬間のまま固まったり、椅子に座ったりと何らかのポーズをとった標本もあった(悩んでる姿もあった)。この展覧会では、作品それ自体というよりも、主催者側における科学的作品/スペクタクル的作品を、観者は学問的探求/視覚的快楽との微妙な狭間で揺れ動きながら見て回るのである。
この展覧会の最後には、実際に脳の重さを量ったり、人体標本=自分の姿に触ったりすることができる。