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開かれ―人間と動物

開かれ―人間と動物

極論すれば、本書は動物と人間の境界というのがきっちりしたものとしてあるのではなく、あるいはどちらに還元されるでもなく、常にその両者に開かれた、「中間休止」というものがあるということ。この本の流れは、フーコーの生政治学を基にして、バタイユコジェーヴのアセファル・スノッブという人間化された動物から始まり、本書の核となるハイデガーを通過し(この「開かれ」というのもハイデガーから)、最後にもう一度バタイユへと戻る。非常によい本だったが、(解説にもあるように)もう少し近代的あるいは文化的な主題も展開して欲しい。