芸術学基本参考文献2

狩猟と編み籠 対称性人類学2 (芸術人類学叢書)

狩猟と編み籠 対称性人類学2 (芸術人類学叢書)

本書は、旧石器時代から現代のキリスト教に至る歴史の中で、イメージの問題を映画的イメージを元にして明らかにするという壮大なもの。本書で面白いのは、イメージの生成の歴史を旧石器時代の記号以前のイメージから記号的、さらには社会的と三段階に分類しているにもかかわらず、ユダヤ教キリスト教)にとってイメージがたんにそうした歴史的発展の中で意味を持つというよりも、むしろ後退的、つまり記号以前のイメージが重要視されているという考え方。つまりモーゼにおける神とは、記号以前の唯一・純粋な神としてあらねばならず、イメージのフェティッシュは決して認められない。だが、それがキリスト教に受け継がれると、三位一体のモデルに象徴されるある種のイメージへのフェティッシュ化が進んでいく。さらにそれが映画産業によってさらに助長されていくという奇妙な事態が起こっている。
…レヴィ=ウィリアムス「流動的知性」というものはどうも納得がいかない。
十戒 [DVD]

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