■Robert Sasso,George Bataille:Le systeme du Non-Savoir(Paris1978),chap.4知から非−知へ(pp.76-95)

  • 第二節 知解不可能な絶対知

バタイユによるヘーゲル解釈:
ヘーゲルによる絶対知は企てのなかでこそ意味を成すような「円環」として考えられている。その範囲内で人間は、モノを認識し、知解不可能なモノを知解可能なものにする。それゆえ、絶対知は絶対的存在と同一のものとなる。「知、それは「事物」の総体を知解可能な枠(円環)の内部で再現=表象させることなのだ」(p.89)
バタイユヘーゲルに対する反論:
1、絶対知の意識に限界を設けること、つまり、絶対的なものという枠組みを作ることこそが、逆にその枠の外にある非-知を示すことになる。
2、何故私が知っているところのものが存在しなければならないのか?つまり未知のものから既知のものへの運動は、絶対知へと達成されることなく、常に横滑り(glissement)を起こし完全には捉えることはできない。