エミール・バンヴェニスト"Le Langage et L'experience Humaine"

私のものの時間性は、それが私のディスクールを配置すると、直ちに私の対話者によって彼のものとして受け取られる。

私とあなたがディスクールの審級における対話のなかで、私の発した言葉は、彼の言葉としてあなたに受け取られる。つまり「私」/「あなた」は、自身の言葉を第三項=[彼」の言葉に変換することで、それを共通項、つまり中間項として相互的に共有し合うことによってディスクールを成立させる。したがってバンヴェニストはこのようにje/tuの対立項にilという中間項を設定することで、ディスクール弁証法的に成立させるのである。なるほどこれがバンヴェニスト弁証法。納得。