ミステリー・トレイン1
■『ミステリー・トレイン』<作品分析>
この映画は、三つの物語から構成されており、それぞれの物語が単一の物語として成立している。そのため、最終的に三つの物語が総合されることはない。しかし、この三つの物語は、多くの共通点によって密接に結び付けられている。
→電車・エルビス・プレスリー・ホテル、ラジオから流れるプレスリーの歌、同時発生的物語展開
〈ショット分析〉
- ショット→ほとんどがミドルショット、ロングショット
- カメラアングル→左右に平行に移動するアングルがほとんど(列車の風景と同じようなパノラマ的視点移動)
- 導入-終わり→列車が同一方向(導入:右→左、終わり:左→右)に向かう。導入では列車→車内に対して、終わりは車内→列車というように、導入-終わりのショットが反復的に繰り返されている。
- ショットの動き→安定した動きがほとんどで、急な動きなどはない。
- 映像→三つの物語からなっているため、同じ映像が反復的に(但し異なるアングルからの場合もある)用いられる
→ここで注目したいのはラジオと列車と、異質的な存在であるルイーザ(第二話「a ghost」)。なぜなら彼女だけがプレスリーを実際に<見て>おり(プレスリーの幽霊)、また彼女だけが列車ではなく飛行機に乗って終わるから。何か彼女だけ浮いているような気がする。
- 出版社/メーカー: JVCエンタテインメント
- 発売日: 1999/12/16
- メディア: DVD
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レポートに関する資料。
■マクルーハン『メディア論―人間の拡張の諸相』