ニーチェを読む

ニーチェニーチェ全集〈8〉悦ばしき知識 (ちくま学芸文庫)』終了。
この書物の中心は『善悪の彼岸』と同じように、主に道徳批判が中心。そのなかで、ニーチェは、意識が生の表象にすぎず、生のための道具でしかないと考える。バタイユは、このような考え方をほとんどそのまま受け継いでいると考えることができる。

およそ意識というものは、伝達の必要に迫られて飲み発達したものである。…人間は、最も危険に曝された動物として、救助や保護を必要とした。…人間は自分の危急を言い表し自分を分からせるすべを知らねばならなかった。(354)

→ではこのような意識を取り除いた後に、人間には何が残るのか?というのが、やはり問題。バタイユならここで、〈rien:何ものでもないもの〉を提示し、そのような何ものでもない人間の間での交感(communication→これがバタイユのエロティシズムともいえる)を問題とするのだろうけど…よく分からん。
次『ニーチェ全集〈12〉権力への意志 上 (ちくま学芸文庫)』。