読書会1

shirime2005-08-23

ユベルマン「ナナフシの逆説」読書会(京都)
ユベルマンの議論の面白さは、視覚に対して触覚を特権視するというような単純な議論ではない。例えば、ビバリウムを覗き込んで、ガラス板を叩きながら何がいるかと探していると、突如その叩いている手の間近にタランチュラがいることに気づく。その時、あたかもタランチュラに触れていたかのような錯覚(??)を起こすが、その手は透明のガラス板によって完全に隔てられているのである。つまり、見えないガラス板によってあたかも対象に接触していると感じながらも、それには決して触れることができない。このような視覚―触覚の手探りを楽しむのである。これこそが、ビバリウムの遊び方だという。
だからシュルレアリスムバタイユの視覚論から触覚性へという単純な議論は問題外。崩壊した視覚にはどのような資格が与えられるのかを考えなければならない。
■後は飯。ゾッキーが集う夜の河原町を見ながら帰る。