▪プチ読書会
ようやく読み始める

Touring Cultures

Touring Cultures

第9章「観光と写真的眼」 キャロル・クラウショウ/ジョン・アーリー
序文

旅行と観光を写真の実践に結びつけるような様々な方法を議論することが、相対的に一般的なのものとなってきている。この章の我々の目的は、既存の文学を越えて、さらに深くこれらの相互関係を明らかにすることにある。第一に、我々は、写真と「視覚的なもの」の役割や意義を取り巻く議論との間にある一般的なつながりを打ち立てるつもりである。写真の実践と観光や旅行を再現するのに役立つ言説は、西洋社会的思考の内部でのより広範囲に反映される諸々の主題の変種として示される。第二に、我々はいくつかの写真の言説の起源について検討する。とくに、如何に写真を撮る欲望が歴史的に確立されることになったのかを検討する。第三に、観光と写真との関係に関して十分に考察する一方で、それらの関係をわずかだが、経験的に検討してみる。幅広い議論の中に、写真/観光の関係を位置づけながら、我々は、自分たちの近年の性質上の研究を専門写真家の実践や観光者の場所を知覚する中での写真イメージの影響に引き寄せてみる。