キッチュの復権

■エッセンシャルペインティングつながりで松井さんの講演会を聞きに行く。
1939年のグリーンバーグの「アヴァンギャルドキッチュ」に始まり、現代においてキッチュ復権へと至るという絵画の変遷が主な話。キッチュとしての絵画は、従来の抽象的な表現よりも、絵画の表面において、抽象/具象、二次元/三次元、観客/対象という境界を常に侵犯しつつ絵画の絵画性について追求しているという。とくに注目していたのは、エリザベス・ペイトンと東欧のNeo Rauch。両者の絵画はともに、リアリズムや主題などのモチーフを用いながらも、色彩や形象などの絵画に備わっている特性をうまく利用しているらしい。…と、よくできた話しだし、当然といえば当然だと思った。ただは話が絵画に限ったものだったのでもう少しその他の芸術やメディアとの関係について聞きたかったのが感想。