◆ウメズ『漂流教室』 今回はウメズ『漂流教室』で発表。 問題は主に二つ。ひとつは、ウメズのコマ割の非運動性とそれをある意味助長する反復的な「過剰さ」を明らかにすること、そしてもうひとつがヘビ女シリーズ以来のウメズマンガにおける大きな眼の描写の…

マーティン・ジェイ『伏目』できになったのは、宗教的体験と幻視的な「光」との関係について。どういう意味で引いてきたのかようわかん。参考文献をとりあえず挙げておく。 The Mutable Glass. Mirror-Imagery in Titles and Texts of the Middle Ages and E…

第九回視聴覚文化研究会

◆告知 第九回視聴覚文化研究会 日時:2007年7月21日(土)14:00〜16:15 会場:同志社大学(今出川キャンパス)明徳館3Fメディア教室 発表時間:14:00〜15:00、15:15〜16:15 発表者及び発表タイトル: 1. 「サウンドスケープ再考:音の環境をめぐる人類学的考…

藤子不二雄Aの「笑ゥせぇるすまん」で、喪黒が「ドーンン!」ときめポーズをするとき、その主人公の驚きの顔は、ウメズの驚きの顔とは似ているようでまったく違う。カトウさんが書いているように瞳の大きさや黒色の割合が違う。 第35話 「愛妻写真」:写真に…

◆ウメズの「恐怖マンガ」 ウメズは自分の作品を怪奇マンガとは呼ばずに「恐怖マンガ」と読み替えたことによってウメズの漫画家としてのキャラを確立したと言われている。これは自身の作品を「物理的恐怖」から「心理的恐怖」へと転換していったと語られる際…

ゴースト・オブ・マーズ [DVD]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2005/09/28メディア: DVD購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (9件) を見るジョン・カーペンター監督。タイトルどおり、火星人のお化けというぶっ飛…

上を向いて歩こう

◆東京:表象文化学会に行って来ました。 ウメズ論は、『イアラ』『おろち』『猫目小僧』を中心に、ウメズマンガの物語における語り手の脱境界的な描き方によって、読者を如何に「心理的」恐怖へと導くのかというもの。主人公(おろち、猫目小僧)は、一方で当…

恐怖ギャラリー (リイド文庫―Leed horror bunko)作者: 日野日出志出版社/メーカー: リイド社発売日: 1998/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る日野日出志の恐怖マンガは見た目からなんか変な人物が登場する。楳図の場合と違って、パロディ的…

秘密の=衣服を脱いだ思考

◆ジャン・リュック・ナンシーの論文「La pensee derobee」を読み始める。La Pensee Derobee作者: Jean-Luc Nancy出版社/メーカー: Editions Galilee発売日: 2001/01メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る「私は娼婦がド…

古賀新一と楳図のまんがは、恐怖の題材からすればよく似ているように思えるが、キャラの書き方、とくに眼の書き方がまったく違う。楳図のマンガでは眼が大きく、そして目は輝いている。そして恐怖の場面では焦点が合っていないぐらい黒目が大きい。これはつ…

第八回視聴覚文化研究会

■視聴覚文化研究会・オムレツ大会 「視聴覚文化研究会」と看板立てたら、耳の聞こえない人のためのセミナーに来たというおばあちゃんが乱入してきた。ある意味正しい選択。 『オクトーバー』誌「視覚文化についてのアンケート」(1996)の議論を元に今一度、カ…

バタイユのエロティシズムは本当にエロいのか?

◆京都セーカ大で授業をしてきました。 18時からだと思ってたら、17時30分からだったので少し焦ってしまった。 今回は原稿を用意したが、原稿があったらあったで不便なことも起こった。できればないほうがいいと思う。論文的な文書で書いたので授業は、途中で…

◆明日京都セーカ大学で一コマだけ授業をさせてもらうことになりました。内容はエロティシズムについてお話しするつもりです。急に電話がかかってきて決定した話なので、どこの教室でどういう人が聴講するのかもよくわかりませぬ。…まーいつものことなので問…

視聴覚文化研究会 共同研究会

■視聴覚文化研究会・オムレツ大会 日時:2007年6月23日(土)午後1時〜5時(あるいはエンドレス) 場所:西宮市民会館アミティホール四階小会議室A※会場は12:50開場です。アクセスマップ 視覚文化の好きな人々が集まった研究会という批判を受けて、それに…

著作権シンポ

◆著作権シンポに行ってきました。 現在において当然とみなされている作者-作品、あるいはオリジナル/コピーというのは、西洋の近代の美学的、資本主義的な論理によって生み出されたものにすぎず、その枠組み自体をもう一度問い直す必要がある。また増田さん…

バタイユのエロティシズム論において問題なのは、その議論が、自分の経験的な部分から出発しているため、結局それを引き起こす対象については曖昧なことしか言っていないということ。バタイユが内的体験を喚起する対象イメージは、いくつかあげることができ…

エロティシズム

◆エロティスムという語が現在どう使われているのか調べている。 辞書で調べてみたら、何らかの対象に備わっている性質というのと主体が引き起こす性的衝動という大体二つの意味があるみたいで、結局主体と客体(対象)のどちらにも使っているようだ。 辞書 フ…

第1回SFHTP大会

第一回SF・ホラー映画研究会(第1回SFHTP大会) 今回見たのは結局9本。その中で一番人気はイタリアホラーの『サスペリア』。前評判通りというところか。最初の10分のシーンで音楽と映像(クローズアップ)でうまく恐怖感が表わされている。殺人シーンなどを過…

第一回SF・ホラー映画研究会

■第一回SF・ホラー映画研究会 麻疹の人を偲んでやります。 目標10本。明日の午後からたこ焼き食いながらやりますので。僕の予想では「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト 」が一番当たりなはず。だってトマトが襲ってくるわけだし。

グローバル・スタディーズ講座

◆西谷修さんのレクチャーを聴講。 戦争・経済・メディアという観点から、如何にして現代の戦争(テロとの戦争)がこれまでの戦争とは異なり、戦争を自己肯定的に承認するグローバル的な戦争へと変っていったのかを批判的に考察している。その最も、重要な契機…

なぜアメリカは戦うのか?

◆[Why we fight] http://www.sonyclassics.com/whywefight/main.html 講座の初日、アメリカのイラク戦争への報復によって明らかになった資本主義的な帝国主義政策に対する批判という内容のドキュメンタリー映画を鑑賞。 監督: Eugene Jarecki。2005年のサン…

明日から3日間shin-biでレクチャーhttp://www.shin-bi.jp/modules/wordpress2/index.php?p=99

恐怖マンガ・ホラー映画とカノウ姉妹

映画の恐怖 (ナイトメア叢書)作者: 一柳廣孝,吉田司雄出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2007/05/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る「人間ならざる人間」を読んでみた。 本論文はマンガ・映画に現れる「人間ならざる人間」を…

エマニエル夫人 無修正版 [DVD]出版社/メーカー: 東北新社発売日: 2001/02/23メディア: DVD購入: 2人 クリック: 192回この商品を含むブログ (10件) を見るフランス人(女性)にエロティシズムて何て聞いたらこれを紹介してくれた。オープニングとエンディング…

神戸大学芸術学論集第3号

昨日やっと発送することができました。暇なときにでも開いてやってください。 前川修「ヴァナキュラー写真論の可能性」 唄邦弘「ジョルジュ・バタイユにおける形態の弁証法」 研究ノート 松谷容作「ジル・ドゥルーズ『シネマ』と映画研究史」 鈴木恒平「トー…

バタイユ・ブランショ研究会

思いもかけず、 バタイユ・ブランショ研究会なるものに行ってきました。 今回はこちら→_ 場所は明治大学の「自由の塔」の一室。高いところで低い話をするのも悪くない。 バタイユの「遊び」を教育学に結びつけたものと、「内的体験」を記号論的、生命システ…

ゴシックの視覚理論

ゴシック建築とスコラ学 (ちくま学芸文庫)作者: アーウィンパノフスキー,Erwin Panofsky,前川道郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2001/09メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (16件) を見るタイトルからも明らかなように、この本でパノフス…

王子動物園

GWということで張り切って王子動物園に行ってきた。 何年ぶりなのかもよく覚えていないぐらい久しぶりに行ったが、こんなに楽しい処だとは思わなかった。この動物園は、客が様々な動物を見て回る一般的なスタイルでずっと運営している。家族連れがほとんどで…

残存するイメージ

残存するイメージ―アビ・ヴァールブルクによる美術史と幽霊たちの時間作者: ジョルジュディディ=ユベルマン,Georges Didi‐Huberman,竹内孝宏,水野千依出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2005/12/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 78回この商品を含むブ…

宇宙戦争 [DVD]出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン発売日: 2006/07/07メディア: DVD クリック: 33回この商品を含むブログ (183件) を見る恐らく、9.11を意識しているためだろうか、ほとんどSF的な要素はどうでもよいもの…